木遣くずしの三代目三升家勝次郎噺家アーカイブ

木遣くずしの三代目三升家勝次郎
演目解説

米国コロムビア 明治36年発売
“『木遣くずし』の勝次郎”といわれてるほどこの唄を得意にした。現存している盤は状態が悪く、どしゃ降りのようなノイズだが、人間の耳のフィルターを通して聴くと、張りのある声、息つぎの呼吸までがまざまざとよみがえってくる。明治末の米国コロムビアと独逸ライロフォンに『都々逸』や『春雨』など十五枚ほどのレコードを残している。(岡田則夫)

演者基本情報
本名 三輪政吉 嘉永2年9月~明治39年3月6日 改名と師匠 文六(年代未詳.文治6)
燕録(年代未詳.燕枝1)
土生平(年代未詳.鷺助)
左太郎(年代未詳.左楽2)
左鶴(明治ヒトケタ後半)
柳家?つばめ(明治12年.燕枝1)
二代目春風亭梅枝(明治13年頃か?.柳枝3)
三代目三升家勝次郎(明治29年3月)
出身 江戸
活躍年代 明治ヒトケタ~明治39年
出囃子
演者解説

入門年代不詳。
もと芝の火消。初め六代目桂文治門で文六、明治4、5年頃初代談洲楼燕枝門で燕録。一時鷺助門のどぜう平で役者となるが再び高座へ戻って二代目柳亭左楽門で左太郎から左鶴となり、燕枝門でつばめとなるのが明治12年、数年後三代目春風亭柳枝門で二代目梅枝、更に明治29年3月勝次郎を継ぎ、声自慢の木遣りで人気をとった。自分では三味線を弾かず、注文が多いので下座泣かせであったという。仮名書きの「柳家つばめ」の初代と思われるのに、名乗った期間が短かったためか忘れられて、今では次の岡谷喜代松のつばめが初代とされている。(山本進)

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