しゃっくり都々逸の初代文の家かくし噺家アーカイブ

しゃっくり都々逸の初代文の家かくし
演目解説

ライロフォン 明治45年発売

『トッチリトン』は、音曲では落語の小噺のようなもので、最後に必ず゛サゲ゛がついている。これは深草の少将が小町の色香に迷い、それならば百夜通って来たら思いを遂げさせてやると小町に言われ、九十九夜通った末に雪の夜に凍えて死んでしまう。そこで「少々(少将)不覚ぢゃないかいな」というオチが付くわけ。またこの場合のように、トッチリトン(或いは都々逸)の間に、別の唄が入って来るのを<アンコ入り>と言い、ここでは小唄の『惚れて通う』がアンコに入っている。(都家歌六)

演者基本情報
本名 柳沢成行 明治31年5月28日~昭和55年2月22日 改名と師匠 柳亭喜楽(大正半ば頃?.左楽5)
柳亭左鶴(年代未詳)
桂小文吾(大正末年?.小文治)
桂やの治(昭和初年?)
東京二代目文の家かしく(昭和3年11月)
文の家可祝(昭和31年頃)
出身 未詳
活躍年代 大正半ば?~昭和55年?
出囃子
演者解説

大正半ば頃?入門。

大正の旧盤時代に数多く吹込んでいる次の代の人。初代の売り物であった『しゃっくり都々逸』を受け継いで演じ、上州訛りはあったがすこぶる美声であった。晩年は声を潰してしまったため、高座へはほとんど上がらず、専ら楽屋で鳴り物だけを専門にしていた。昔売れたという気取りのまるでない人で、いつも前座とふざけっこをしているという、誰からも好かれた極めて人の良いお爺さんであった。晩年は引退の後、81歳で老衰のため静かにこの世を去って行った。(都家歌六)

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