五代目 志ん生名演大全集名演集

志ん生

志ん生膨大 口上

志ん生がニッポン放送の専属だったのは昭和二十九年七月一日から三十七年九月三日までの約八年間であった。もっともニッポン放送以前の一年間(二十八年から二十九年)はラジオ東京(TBS)の専属であり、ニッポン放送の時もNHKだけは出演OKの契約になっていたし、以降のフリー時代は各局に出演していたので、電波から流れた“志ん生の声と芸”は、大変な数になる。
ニッポン放送は昭和三十一年頃から本格的な保存の必要を感じ、それ以降のものの大半が“志ん生ライブラリー”として、今も同局に保存されている。その作品群だけでも百本を越す。このほか、志ん生作品は東横落語会、東宝名人会などで収録されたものがあり、また、若い時代のものはSP時代のレコードで何枚か聞くことができる。
昭和三十六年に脳出血で倒れ、三十八年からカンバックしたが、それからは“間”を充分にとったしゃべりで、また別の志ん生を作り出した。
昭和四十五年、ポニーとキャニオンレコード(現・ポニーキャニオン)からニッポン放送の放送原盤を中心とした『古今亭志ん生名演集五十巻』が発売され、多くの志ん生ファン・落語ファンに喝采をいただいてきたが、幾度の企画変更の中で噺の一部が編集されてしまったり、音源の音質劣化などもあり、多くの志ん生ファンから完全リマスタリング版の発売が待望されてきた。
今年志ん生三十三回忌を期に、ニッポン放送に残る放送音源まで遡り、全てリマスタリングし『古今亭志ん生名演大全集』を発売することになった。
十八番の『火焔太鼓』のようにオチが違う演目や同一演目別テイク音源、ほかにNHK、東宝名人会、文化放送などに残る音源も新たに追加して、既存の『古今亭志ん生名演集』を越える文字通り“大全集”を目指している。全四十八巻百二十六席プラスα(現在、調査中音源)“志ん生膨大”な芸の魅力をご堪能ください。




◎リマスタリング音源

人気の高い志ん生の音源は、幾度の企画変更の中で噺の一部が編集されてしまったり、音質が劣化してしまっている場合があります。今回の”名演大全集”では、可能なかぎりニッポン放送に残る放送音源(オリジナルの保存テープ)にまで遡り、再度マスタリングの作業を行いました。それらの音源については”リマスタリング音源”として明記しています。



◎本シリーズ初収録音源

1994年にポニーキャニオンから発売された『古今亭志ん生名演集・全41巻』には、収録されていなかった演目を今回の”名演大全集”では新たに収録いたしました。また、同一演目であっても、より状態のよい音源に差し替えを行った演目についても”本シリーズ初収録音源”として明記しています。



◎同一演目別テイク音源

『火焔太鼓』(1巻・2巻収録)、『井戸の茶碗』(5巻・34巻収録)、『稽古屋』(9巻・37巻収録)、『妾馬』(13巻・34巻収録)、『付き馬』(23巻・30巻《早桶屋》収録)、『唐茄子屋政談』(26巻・34巻収録)、『子別れ』(27巻《通し》・34巻《中・下》収録)の演目については、同一演目でも二席、別テイクの音源をそれぞれ収録しています。面白さについては変わりませんが、時の巡り合わせの妙をお楽しみいただければと思います。

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